【書評】『DEATH「死」とは何か(著:シェリー・ケーガン)』感想

書評
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こんにちは、ハッシーです。

今回ご紹介する本は、シェリー・ケーガン著『DEATH「死」とは何か』になります。

本書を読もうと思ったきっかけは、「死」についての本を読んだことがなかったことと、イェール大学で人気講義という見出しが気になったからです。

「死」については、人はいつか死ぬということは理解していても、積極的に考えることは避けてきたと思います。
考えるのが怖いという理由もあるかもしれません。

しかし本書を読んでみて思ったことは、「自分もいずれ死ぬと考えると、今生きている人生をどのように過ごすべきか」を考えられたことかなと思います。

難しい内容の本ですが、自分を見つめ直すきっかけになるかもしれません。
ご興味がありましたら一度読んでみてください。

著者シェリー・ケーガンについて

イェール大学教授。
道徳哲学、規範倫理学の専門家として知られ、着任以来二十数年間開講されている「死」をテーマにしたイェール大学での講義は、常に指折りの人気コースとなっている。
本書は、その講義をまとめたものであり、すでに中国、台湾、韓国など世界各国で翻訳出版され、25万部を超えるベストセラーとなっている。

『DEATH「死」とは何か』(著:シェリー・ケーガン)より引用

著者のシェリー・ケーガン氏を知っていた訳ではないですが、イェール大学はよく聞く大学ですね。

イェール大学で人気講義なら、一度は受けてみたいです。

本書はこんな方におすすめ!

・自分を見つめ直したい人
・普段何気なく過ごしている人
・人生の目標を決めかねている人
・生きる意味を見出したいと思っている人

どういう人におすすめしたいか、難しいですね。

自分を見つめ直すことで、生きることの意味、時間の大切さ、何をやるべきかなど、これからの人生をどのように生きるべきかを考えるきっかけになると思います。

本書のポイント・感想

僕が読んだのは、『DEATH「死」とは何か』の日本縮約版になります。他に完全翻訳版もあります。

縮約版の方の内容は、以下の9つの講で構成されています。

1、「死」について考える
2、死の本質
3、当事者意識と孤独感 -死を巡る2つの主張
4、死はなぜ悪いのか
5、不死 -可能だとしたら、あなたは「不死」を手に入れたいか?
6、死が教える「人生の価値」の測り方
7、私たちがシムまでの考えておくべき、「死」にまつわる6つの問題
8、死に直面しながら生きる
9、自殺

タイトルだけみても、難しそうな内容だということがかわりますね。

「死」というテーマは、正解がないものだと思っています。
本書の中でいろいろな問いが投げかけられていますが、その中で僕が気になってところをについて、感想を述べていきたいと思います。

心と身体は切り離せるか?

本書では「二元論」の見方と「物理主義」の見方で解説されています。
簡単にいうと、二元論とは人は魂と身体でできているという考え方であり、物理主義とは人は身体だけでできているという考え方。
(詳しく知りたい方は本書を読んでください)

難しい内容ですが、僕は二元論の考え方がしっくりくるかな?

アニメやSFの世界では、人の身体が入れ替わるとか、死んだら天国や地獄に行くといったようなことをテーマにしているものも多くあると思います。

現実的にはないと思うものの、死んだらどうなるかがわからない状況では、魂が残ると考えた方が、「生きている今」を頑張れるような気がします。
だって地獄に行きたくないですから。

死はなぜ悪いのか?

「自分にとって悪い?」、「残されて人にとって悪い?」、「楽しいだろう未来を奪われたから悪い?」など、様々な角度から述べられています。

僕は理由はよくかわかりませんが、死は悪いこと(不幸)と思っています。
多くの方も死は悪いものと思っているのではないでしょうか?

それはやりたいことがまだ残っているからかもしれません。
家族や友達のことで心残りがあるのかもしれません。

しかしそんなことを言ったら、心残りがない人なんていないのではないでしょうか?
誰しも心残りがあるのなら、死は誰にとっても悪いということなのでしょうか?

例えば、ドラゴンボールでは自分が犠牲になってでも地球を守ろうとするシーンがよくありますが、それば悪いことなのでしょうか?
自分が死んでも他の人を守ることができれば、死は悪くないと考えれらるのでしょうか?

答えはわからないですよね。
ただ1つ言えることは、自分が死ぬときに、少しでも後悔しないようにすることが大事なのかなと思います。

「不死」はいいことなのか?

時間が無限にあったら何をするのだろうか?
やりたいことを満足いくまでやれるのだから楽しいのかもしれない。

例えば、十分なお金があって、不死であったなら楽しいのだろうか?
自分の好きなこと、「おいしいものを食べる」、「釣りをする」、「スポーツ」、「読書」、「ショッピング」など、好きなこと、やりたいことはたくさんあります。

でもそれを永遠と繰り返すのは楽しいのだろうか?
いや、楽しくなさそうですね。
むしろ苦痛になるのではないかと思います。
永遠にやりたいことなどないのかもしれません。

限られた時間の中、限られた条件の中でやれるからこそ楽しいのではないかと思います。
たまにできる幸せが本当の幸せかもしれないなと感じました。

自分の寿命がわかったら、今の生き方を変えますか?

おそらく変えますよね?

明日死ぬとわかったら、おいしいものを食べたり、家族や友達にお礼を言うかもしれない。
(冷静にいられるかわかりませんが…)

1年後死ぬとわかれば、今まで自分がやりたくてもできなかったことをやるような気がします。
例えば、いろんな国へ旅行に行くとか、やはりおいしいものを食べるとか。

10年後に死ぬとわかれば、今挑戦していることにもっと力を入れて頑張りたいと思うかな?
10年もあれば納得いく結果が出せるような気がします。

上記の内容は今思い付いただけなので実際には変わるかもしれませんが、寿命によって時間の使い方は変わってくると思います。

では、いつ死ぬかわからなければどうするだろうか?
テレビを見たりスマホをいじったりして、ダラダラ過ごすかもしれませんね。

いつ死ぬかわからないというよりは、当分は死なない、いや、死ぬことを考えていないと言った方がいいかもしれません。
むしろ時間は無限にあると錯覚している気がします。
だから、時間を潰すようなことをしてしまうんだろうなと思ってしまいます。

いつかはわからないけど、人は必ず死ぬ。
そう考えると時間を大切にしなければいけませんし、やりたいことに挑戦しないことも違うよなと思います。
今はまだ早いと思っていることが、実はすでに遅いのかもしれないのですから。

本書を読んで思ったこと

「やはり、今を全力で生きること」が大事かなと思いました。

今のまま生きていけば、死ぬときに必ず後悔すると気がします。
それはいろいろと避けてきたことや、逃げてきたことがあるからです。

自分にはできないとか、失敗するのが怖いとか、まだ時期ではないとか、いろいろと言い訳をして先延ばしにしていることが、誰にもあると思います。

しかし、時間は無限にあるのではなく、有限なのです。
寿命の長さに違いはあれ、人は必ず死にます。

そうであるなら、有限な時間を全力で努力し、全力で楽しむことがいいのかなと思うようになりました。

後悔しないように生きたいですね。

今回は、本書の内容にはほとんど触れませんでしたが、難しかったのでご勘弁を。
「死」について考えるきっかけを与えてくれる一冊となるでしょう。

では、今回はここまでとします。


最後までお読み頂きありがとうございました。

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