こんにちは、ハッシーです。
今回ご紹介する本は、ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド3人の共著である「FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」をご紹介します。
本書は、2020年上半期のビジネス書ランキングで1位となっており、2020年5月末時点で、発行部数85万部を突破。
世界でみると、300万部のベストセラーとなっています。
あのビル・ゲイツ氏も「名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」と絶賛したとのこと。
本書では、データを基にして世界を正しく見るために、環境、貧困、人口、エネルギー、医療、教育などの現状を取り上げています。
皆さんは最近、各地で起こっている紛争や、異常気象、直近ではコロナウイルスの感染など、悪いニュースをよく目にしていると思います。
世の中では悪いことが頻繁に起こっているように感じるかもしれません。
しかし、本当に世の中は悪くなっているのでしょうか?
本書はそんな疑問に答えてくれる一冊となっております。
今一度、世界の現状を正しく知ることは必要なのではないでしょうか?
コロナ禍の今だからこそ読むべき1冊となっています。
著者について
ハンス・ロスリングは、医師、グローバルヘルスの教授、そして教育者としても著名である。
「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」より引用
世界保健機構やユニセフのアドバイザーを務め、スウェーデンで国境なき医師団を立ち上げたほか、ギャップマインダー財団を設立した。
ハンスのTEDトークは延べ3500万回以上も再生されており、タイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人に選ばれた。2017年に他界したが、人生最後の年は本書の執筆に捧げた。
オーラ・ロスリングはハンスの息子で、アンナ・ロスリング・ロンランドはその妻。
ギャップマインダー財団の共同創設者。
オーラはギャップマインダー財団で2005年から2007年、2010年から現在までディレクターを務めている。
アンナとオーラが開発した「トレンダライザー」というバブルチャートのツールをグーグルが買収した後は、グーグルでオーラはパブリックデータチームのリーダー、アンナはシニア・ユーザビリティデザイナーを務めた。
2人はともに功績を認められ、さまざまな賞を受賞している。
本書はこんな方におすすめ!
・思い込みが強い人
・感情に流されやすい人
・知識のアップデートが必要と考えている勉強家
本書はデータを基に述べられているので、内容自体は理解しやすいです。
正しい知識を得たい人にはおすすめです。
本文の冒頭では、世界の事実に関する13の質問(3択)があります。
適当に答えても4~5問は正解するはずなので、仮に正解が4問以下の方は読んだ方がいいかもしれません。
自分が世界のことをどれだけ理解しているか判断するいい機会になることでしょう。
本書の感想・ポイント
本書では、世界の現状を様々なデータを基に解説しています。
人が世界を正しく見れない理由については、10の思い込みがあると言っています。
10の思い込みとは、分断本能、ネガティブ本能、恐怖本能などです。
人は思い込みがあるため判断を間違うというのです。
本当かなと思う方は、下記質問に答えてみてください。
(下記質問は本書の帯にも掲載されていたので、ご紹介させて頂きます)
[質問1]
「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」より引用
世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどれくらいいる?
①20%、②50%、③80%
[質問2]
いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?
①20%、②50%、80%
正解がわかりますか?
答えをここに書くのは気が引けるので、知りたい方は本書を読んで頂ければと思います。
質問だけしといて申し訳ありません。
ただ正解率はともに33%以下となっているようで、勘で答えるよりも悪いそうです。
[質問1]については正解率13%とのこと。
しかも質問に答えたのは、教師、大学教授、科学者、多国籍企業の役員、政界のトップなど優秀な人ばかりです。
これらの質問に対して、答えを聞いたことはないでしょうし、知っている必要もないのかもしれません。
ただ、今までの経験を基に予想することはできるはずです。
自分の知っている知識を駆使して答えても間違ってしまうというのは、非常に興味深いなと思いますね。
なぜこのようなことが起こるのかについては、思い込みがあると述べられています。
その内の一つをご紹介します。
「良い出来事はニュースになりにくく、悪い出来事はニュースになりやすい。」
つまり、悪い出来事ばかりがニュースで報道されるので、世の中は悪くなってきていると思ってしまうということです。
その通りですよね。
報道番組を見ても、悪いニュースがほとんどで、たまにほっこりとする動物や赤ちゃんを流すといった構成が多いと思います。
これは仕方がないことで、テレビは視聴者の目を引く内容にしないといけないからです。
例えば最近よく目にする「あおり運転」で言えば、「危険なあおり運転がありました、まずはこちらをご覧ください」というふうに報道されますよね?
それを見た人は、最近の世の中は怖くなってきたなと感じることでしょう。
車載カメラを付けないと心配だと思うかもしれません。
しかし、冷静になって考えてみてください。
昔よりも道路は整備されてきていますし、信号も増えてきています。
交通ルールも厳しくなってきているのに、「あおり運転」は増えてきているのでしょうか?
これは運転免許保有者が増えてきているのも原因の1つかもしれません。
(2010年以降は高止まっていますが)
でも一番の理由は、車載カメラが普及してきたことで、動画で残るようになったこと。
それがテレビで報道されるから増えてきていると感じるだけなのです。
「あおり運転」は昔からあったはずです。
ただ昔は車載カメラもスマホもなかったため、証拠が残っていないだけです。
運転される方ならわかるかもしれませんが、最近よくあおられるなと感じることはありますか?
車載カメラが普及してきて、むしろ少なくなっていませんか?
「あおり運転」をする人はごく一部。
でもそれがピックアップされて報道されるから増えていると感じてしまうのです。
悪いニュースばかり報道するテレビが悪いと言っているのではありません。
報道する側からすれば、「今日はこんな酷いあおり運転がありました」と言った方が注目されます。
「今日も皆さん安全運転でした」と言っても話題にはなりません。
要は、悪いニュースがあることは確かだとしても、実際のところ悪いことが増えているかどうかをきちんと判断することが必要ですね。
本書を読んで学んだこと
・データをきちんと理解することの大切さ
・悪いニュースは広まりやすく、よいニュースは届かない
世界の現状を正しく理解することは、仕事においても、プライベートにおいても大事ですね。
いろいろと海外に行ったりしましたが、危険だと聞いていたほど危険ではないことがほとんどです。
悪いニュースばかり目にして心が荒んできますが、世界は着実によくなってきている。
こう思えると幸せな気分になりますね。
もちろん楽観的になってはいけないとは思いますが…。
本書を読んで、世界を正しく見ることの大切を学べたと思います。
今回はここまでと致します。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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