こんにちは、ハッシーです。
今回、ご紹介する本は、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の「サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福」になります。
まず本書を読もうと思ったきっかけは、ホリエモンの著書に登場していたからです。
ホリエモンも読んでいて引用するくらいだから、良い本に違いない!
本を選ぶきっかけなんて、この程度です。
知識の幅を広げるためにもいろいろなジャンルの本を読んだ方がいいと思っているので、著名人がおすすめする本は読んでみる価値があるかもしれません。
ちなみにビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグも読んでいるみたいです。
で、本書の感想ですが、非常に良い本に巡り合えたなと思いました。
アフリカでほそぼそと暮らしていたホモ・サピエンスが、食物連鎖の頂点に立ち、文明を築いたのはなぜか?
本書ではその答えを知ることができます。
「サピエンス全史」というタイトルの通り、人類の進化の過程を知ることができる一冊となっております。
著者のご紹介
ユヴァル・ノア・ハラリ
「サピエンス全史」(著:ユヴァル・ノア・ハラリ)より引用
1976年生まれのイスラエル人歴史学者。
オックスフォート大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えている。
軍事史や中世騎士文化についての3冊の著書がある。
オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。
僕はユヴァル・ノア・ハラリ氏のことは知らなかったのですが、本書を読むと知識の豊富さを伺うことができます。
著者が歴史学者と言われている所以がわかると思います。
本書はこんな方におすすめ!
・歴史好きな方
・悩み事がある方
歴史に興味がある方はもちろんですが、僕がおすすめしたい人は「悩みを抱えている方」です。
なぜかというと、本書では人類が何万年もかけて進化した過程を述べています。
人類が長い時間をかけて少しずつ進化してきたことから考えると、今自分たちが悩んでいることなんて、ほんのわずかな時間であり、些細なことだと思えてくるからです。
人類の長い歴史から考えると、自分の悩みなんてちっぽけなことだなと感じることができればしめたものです。
読書を通じて気分転換してみてはいかがでしょうか?
本書のポイント・感想
「サピエンス全史」では、3つの重要な革命について述べられています。
約7万年前に歴史を始動させた「認知革命」、約1万2千年前に歴史の流れを加速させた「農業革命」、そしてわずか500年前に始まった「科学革命」。
(科学革命は「サピエンス全史(下)」に収載)
「サピエンス全史(下)」についてはこちらにまとめていますので、もし興味がありましたら見てください。
人類によく似た動物が姿を現したのがおよそ250万年前。
そこからとてつもなく長い年月が流れ、約7万年前に歴史がスタートしたのです。
人類の歴史が動き出したのは結構最近なんだね!
では、「認知革命」や「農業革命」とはどういうものなのか?
僕が読んでみて印象に残ったところを中心に説明していきたいと思います。
認知革命
7万年前から3万年前にかけて見られた、新しい思考と意思疎通の方法の登場のことを「認知革命」というのだそうです。
その原因は定かではなく、突然変異が起こったという説が有力とのこと。
だがここで考えないといけないことは、突然変異が起こったことではなく、意思疎通ができるようになったことだと述べられています。
なかでも特徴的なことは、「虚構」だというのです。
虚構とは、事実ではないことを事実らしくつくり上げること。
虚構のおかげで、私たちは単に物事を想像するだけではなく、集団でそうできるようになったといいます。
非常に難しい話ですが、人間と動物との違いは「虚構」にあるのです。
神を崇拝するのもそうですし、宗教もそうかもしれません。
正月に神社に行ってお参りするのも当てはまりますね。
虚構のおかげで、見ず知らずの人とも意思疎通ができますし、集団行動ができているとも言えます。
動物のように身の危険を周囲に知らせるだけではその場止まりですし、意思疎通としては限界があるように思えます。
つまり虚構が協力を可能にしたということです。
農業革命
農業革命と聞くと、食料が豊富に手に入るようになり、より生活が豊かになった。
また食糧に対する不安が減り、自由な時間を手に入れることができるようになったのではないか?
このように思うかもしれません。
しかし実際は、農業革命によって、安楽に暮らせる新しい時代の到来を告げるにはほど遠く、農耕民は狩猟採集民よりも一般に困難で、満足度の低い生活を余儀なくされたというのです。
このように著者は表現しています。
とても興味深い話ですね。
農業革命により、食糧の増加にはつながったが、人口が爆発的に増え、飽食のエリート層の誕生につながったというのです。
また、農地の管理に費やす時間が増えたり、他の人に奪われないようにしなければならなかったと。
僕は農業革命により、人間が発達してきたと思っていたけど、そうではないみたいですね。
著者はこのように述べていますが、とても印象的な言葉です。
その後、人類は想像上の秩序を生み出し、書記体系を考案することによって、大規模な協力ネットワークを形成していったといいます。
その結果、人々はヒエラルキーを成す、架空の集団に分けられた。
※ヒエラルキーとは、階層制や階級制のことであり、主にピラミッド型の段階的組織構造のこと。
上層の人々は特権と権力を享受したが、下層の人々は差別と迫害に苦しめられたというのです。
この辺りのことは非常にセンシティブな内容になるので興味のある方は本書を読んで頂きたいと思います。
最後にもう一つ印象に残った部分をご紹介します。
貨幣自体に価値がある訳ではなく、信頼されているから価値がある。
一万円札というのは一万円相当のものと交換できると皆が信頼しているから価値があるのであって、信頼がなければただの紙切れになるのです。
お金でものを買ったりするのは当たり前にやっていることですが、信頼で成り立つというのは人間の大きな特徴かなと思います。
まとめ
とても難しい内容の本なのでうまく紹介することができませんが、人類がどのように進化してきたのかを俯瞰的に知ることができます。
なぜホモ・サピエンスだけ繁栄したのか?
なぜ見知らぬ人同士が協力することができるようになったのか?
なぜ農業革命で過酷な生活を強いられるようになったのか?
本書を読むことでいろいろな疑問を解決してくれます。
ホモ・サピエンスが7万年前に登場し、時間をかけて進化してきたのに対し、現代の進化の速度はとてつもなく早いように感じます。
今から1000年後の世界はどうなっているのか想像すらつきません。
人生100年時代と言われますが、人類の歩んできた歴史から見ると100年なんてあっという間ですね。
そう考えると小さなことで悩んでいても仕方ないように思えます。
今を楽しく生きないとですね。
人生を考える一冊になるかもしれません。
もし興味がありましたら読んでみてください。
今回はここまでと致します。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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