【書評】「サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福(著:ユヴァル・ノア・ハラリ)」感想

書評
スポンサーリンク

こんにちは、ハッシーです。

今回、ご紹介する本は、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の「サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福」になります。
以前ご紹介した「サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福」の続編になります。

全世界で1200万部の発行累計を突破したベストセラーになります。

認知革命、農業革命を経て進化をしてきて人類が、なぜ科学革命により爆発的な進化を遂げたのか?

その答えは「帝国、科学、資本」のフィードバック・ループにあったというのです。
帝国に支援された科学技術の発展にともなって、「未来は現在より豊かになる」という将来への信頼が生まれ、起業や投資を加速させる「拡大するパイ」という、資本主義の魔法がもたらされた。

何だか難しそう‥‥

ハッシー
ハッシー

本書を読めば理解できると思うよ!

難しい内容ではありますが、知的好奇心をあおる一冊だと思います。
もし興味がありましたら読んでみてください。

上記はAudible版ですが、書籍、Kindle版もあります。

著者のご紹介

ユヴァル・ノア・ハラリ
1976年生まれのイスラエル人歴史学者。
オックスフォート大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えている。
軍事史や中世騎士文化についての3冊の著書がある。
オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。

「サピエンス全史」(著:ユヴァル・ノア・ハラリ)より引用

本書はこんな方におすすめ!

・人類の進化に興味がある方
・歴史好きな人
・知的好奇心を持っている人
・読書が好きな方

本書の内容は難しいので、読書習慣を持っている人でなければ、読み終えるのは難しいのではないかと思います。
(僕が読むのが苦手なだけかもしれませんが…)

しかし大変興味深い内容となっていますので、知的好奇心が刺激されるのではないかと思います。
読書を楽しみたい方におすすめしたいです。

本書のポイント・感想

「サピエンス全史」では、3つの重要な革命について述べられています。
約7万年前に歴史を始動させた「認知革命」、約1万2千年前に歴史の流れを加速させた「農業革命」、そしてわずか500年前に始まった「科学革命」。
(認知革命、農業革命は「サピエンス全史(上)」に収載)

「サピエンス全史(上)」についてはこちらでまとめていますので、もし興味がありましたら見てください。

「認知革命」においては、虚構」のおかげで、私たちは単に物事を想像するだけではなく、集団で協力できるようになったといっています。

また「農業革命」では、農耕によって単位面積当たりに暮らせる人の数が爆発的に増え、かつて狩猟採集をしながら小集団でくらしていたサピエンスは定住するようになった。

その後、サピエンスが統合への道を歩み始める原動力となったのが、「貨幣・帝国・宗教」という3つの普遍的秩序だというのです。

そして、約500年前に始まったのが「科学革命」。
この科学革命によって人類はどのように進化していったというのでしょうか?

本書の中でポイントとなる部分、印象に残ったところを中心にご紹介していきます。

無知を認める

科学革命の発端は、人類は自らにとって最も重要な疑問の数々の答えを知らないという重大な発見だったと言っています。
それまでは知るべきことはすべて神や賢者によって知られているという考え方が主流で、ほとんどの文化は進歩というものを信じられていなかった。
一方、科学は自らの無知を前提に、貪欲に知識を求めていったとのこと。

現代とは異なるかもしれませんが、「無知の知」というソクラテスの言葉はよく耳にすると思います。
いつの時代も知らないということを自覚することが大事ということですね。

人々は進歩という考え方により、しだいに将来に信頼を寄せるようになっていった。
この信頼によって生み出されたのが信用で、その信用が本格的な経済成長をもたらし、成長が将来への信用を強め、さらなる信用への道を開いた。

経済が成長していくという好循環が生まれたということですね。
本書から引用した画像を載せると以下のようになります。

経済が成長するという期待が持てるから投資もするし、努力もしていけるのだと思います。
お金が回るようになり更に成長していくということですね。

科学がどの道を進むかは、イデオロギーと政治と経済の力に影響される。そのうちでも、とくに注意を向けるべきなのが、帝国主義と資本主義で、科学と帝国と資本の間のフィードバック・ループが、過去500年にわたって歴史を動かす最大のエンジンだった。

科学が進歩するためには多くのお金を必要とします。
例えば2020年の現在においては、新型コロナウイルスが猛威を振るっています。
ワクチンを開発するために多くの研究者の方が頑張ってくれていますが、開発するためには莫大なお金が必要となってきます。
そのため国がお金を出して研究を進めているのです。
少なからず投資したお金以上の見返りが見込めるからということになります。

科学がどの方向に進むかはイデオロギーと政治と経済の力に影響されるというのはわかる気がします。

将来はパイが拡大する(富の総量が増える)と信じることで、投資に弾みがつき、それが劇的な経済発展につながり、無尽蔵ともいえるエネルギーと原材料が手に入るようになり、物質的に豊かな社会が実現した。

西暦1500年の一人当たりの年間生産量が550ドルだったのに対し、今は8800ドルとのこと。
経済の話は複雑なのでわかりづらいですが、将来にパイが拡大すると見込むことができれば、お金がなくてもその人に信用さえあれば起業したり、投資したりすることができます。

信用があるからこそ、お金を借りて店を出すこともできるし、起業することもできる。
信用がなければお金を貯めてからしか店を出せないし起業もできないから、大きな成長もできないということなのかなと思います。

私たちも将来は拡大すると思っているからいろいろと投資できたりしますが、そう思えなくなってきたら一気に拡大が止まるような気がします。

まとめ

著者は、サピエンスの今後は、「生物工学」、「サイボーグ工学」、「非有機的生命工学」のいずれも自然選択の代替となりうると言っています。

今まで人類が歩んできた延長線上ではなく特異点に至ると。

人間が不死に近づいたり、人間とコンピューターが融合したり、今現在考えることさえできていないようなことが実現する時代が来るかもしれないですね。

そんな時代が来ると思うと怖いと思う反面、とても興味深いです。
人類がこの先どのような進化を遂げるのか、見てみたいものですね。

本書を読んでいろいろなことに興味が湧いてきました。
皆さんともこの気持ちを共感できれば幸いです。

上記はAudible版ですが、書籍、Kindle版もあります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました