【書評】「無理ゲー社会」(著:橘玲)感想

書評
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こんにちは、ハッシーです。

今回、ご紹介する本は、橘玲さんの著書「無理ゲー社会」になります。
「無理ゲー社会」というタイトルに興味を惹かれて読んでみました。

本書の内容や単語は難しいですが、それでもスイスイと読めてしまうということは、それだけ切り込んだテーマを扱っており、話の展開が上手いからだと思います。

リベラルな社会で暮らしているのに、自分らしく生きることができない人がいるのはなぜなのか?
凶悪な事件が起こってしまう原因は何なのか?
なぜ「無理ゲー社会」だと言えるのか?

世の中の現実を理解するとともに、自分の人生と照らし合わせて読んでしまいましたが、社会について考えるきっかけを与えてくれる一冊かなと思います。

著者のご紹介

橘玲(たちばなあきら)
1959年生まれ。作家。
国際金融小説『マネーロンダリング』『タックスヘイブン』などのほか、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『幸福の「資本」論』など金融・人生設計に関する著書も多数。
『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017年新書大賞受賞。
近著に『上級国民/下級国民』『女と男 なぜわかりあえないのか』など。
最新刊は『スピリチュアルズ「わたし」の謎』。

「無理ゲー社会」(著:橘玲)より引用

作家の橘玲さんです。
橘さんの著書は初めて(?)読みましたが、切り口が鋭いですね。
多くの映画や著書を例えに解説されているところがおもしろいです。

本書はこんな方におすすめ

・世の中に不公平さを感じている方
・社会が生きづらくなっている理由を考えたい方
・橘玲さんの著書が好きな方

どのような方におすすめなのかは正直難しいです。
どうして今の世の中を無理ゲー社会と言っているのか、著者の主張をもとに考えるきっかけになればいいなと思います。

本書のポイント・感想

本書でいう「無理ゲー社会」とは次のように定義されています。

「社会的・経済的に成功し、評判と性愛を獲得する」という困難なゲームをたった一人で攻略しなければならないこと。
これが「自分らしく生きる」リベラルな社会のルール。

一見、リベラル(自由)な世界で自分らしく生きることは、素晴らしいことのように思えます。

しかし、リベラル化の風潮で「自分らしく生きられる」世界が実現すると、必然的に次の3つの変化が起きると述べられています。

①世界が複雑になる
②中間共同体が解体する
③自己責任が強調される

詳しくは本書を読んで頂きたいのですが、「誰もが自分らしく生きられる社会」では、成功も失敗もすべて自己責任になるとのこと。
(これを「メリトクラシー」というのだそうです)

昔であれば、身分や生まれのせいで地位が決定していたが、今は全て自分の持っている能力で地位が決まるということです。

ハッシー
ハッシー

昔なら言い訳できたってことかな?

きらびやかな現代社会のゆたかさは、その陰で、経済格差の底辺で生活の方途を失いかけていたり、性愛格差の底辺で愛情空間から排除されてしまった膨大なひとたちを抱え込んでいると言っています。
彼ら/彼女たちは、「夢」が氾濫するこの日本で、将来に絶望し「安楽死」を望んでいるというのです。

リベラルの理想を信じるひとたちは、現代社会で起きているさまざまな社会問題をリベラルな政策で解決しようとするが、実は「リベラル化」が全ての問題を引き起こしていると。

私たちは「自由な人生」を求め、いつの間にか「自分らしく生きる」という呪いに囚われてしまったと述べられています。

本書は、そんな「自分らしく生きる」という呪いに囚われてしまった原因を、さまざまな事件や社会現象を切り口として論理展開しています。

難しい内容ですが、妙に納得させられるところもありました。

リベラルな社内で自分らしく生きるためにはどうすればいいのか?
考えさせられる一冊です。

本書の感想は以上となります。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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